中日ドラゴンズ ホームランテラスの設置が失敗である理由

プロ野球、メジャーリーグ

2025年1月30日の記事より、中日の本拠地・バンテリンドームの外野フェンス前に、2026年から“ホームランテラス席”が設置されることになった。とあります。

ここ数年貧打に苦しみ、チーム成績も低迷していた中日ドラゴンズファンにとっては歓喜のニュースになるでしょう。しかしよーく考えてみてください。確かに球場を狭くすると、味方のホームラン数は増えるかもしれませんが、同時に相手チームのホームラン数も増えてしまいます。

この記事では、ホームランテラスの設置が中日ドラゴンズにとってプラス面マイナス面どちらに作用するのか考察していきます。ではまず、テラス設置がプラス面に作用する理由から述べていきます。

テラス設置がプラス面に作用する理由

① 味方野手の長打力増加

近年のドラゴンズは貧打に悩まされています。特にここ2年間のチーム総得点数は23年390点、24年373点と400点を下回っています。昨年度、400点を下回るのが1973年(130試合制)の広島、ヤクルト以来の50年ぶりだった訳ですから、いかに酷い貧打ぶりなのかが分かります。

しかし、テラス設置により貧打が解消される可能性があります。特に細川選手や福永選手と言った若い野手をたくさん抱えている訳ですから、伸びしろを考慮しても、いい相乗効果が生まれるかもしれません。

② ホームラン数の増加がそのまま選手の自信に繋がる

近年のドラゴンズ野手陣は、広いドーム球場で戦うためにあいて単打や逆方向を意識したバッティング練習に取り組んでいるそうです。しかし結果としてこれが貧打に繋がっていると考えるOBやファンの方が多いようです。

長打を意識した練習に取り組み、ホームラン数や長打率を増やすことが自信に繋がる、といった好循環を生み出してくれます。こういった理由から球場が狭くなるうえで、長打不足が解消されると考えている人が多いようです。

しかし、現実的に考えると必ずしもプラスの面だけが作用するとは到底思えないのです。以下は筆者が考える、ホームランテラス設置がマイナス面に作用する理由を述べていきます。

テラス設置がマイナス面に作用する理由

① 貧打のチームよりも投壊しているチームの方が勝率が悪い

球場を狭くすると打ち合いの試合も増えていきます。ロースコアのゲーム展開は選手達にとって緊張感がありますが、打ち合いになるとどうしても緊張感のない試合が増えるだけです。常勝チームならば、常に緊張感を持って試合に挑めますが、最近のドラゴンズを見ていると、負けていても笑っている選手が多く、どことなく緊張感に欠けているなと感じてしまいます。

かつてのベイスターズは投壊により暗黒時代を迎えていましたが、シーズンの勝率は3割台でした。他チームでもシーズン勝率が3割台だったシーズンでは投壊が目立っていました。

② ホームラン病が蔓延する

ホームラン病という名前はあまり耳にしないと思いますが、ホームラン狙いの荒い打席(フリースインガー)が増えて、かえって長打力が減ってしまうことを言います。特にドラゴンズのような若い野手が多いチームで、ホームラン病に陥ってしまう可能性が高くなります。MLBではホーム球場が変わったり、改修したりすると、一番多発する病らしいです。

細川選手は、元々は当たれば飛ぶが三振の多い選手でした。しかし中日に移籍後、バンテリンドームでは中距離砲に徹し、結果的に好成績を納めていた。逆にハマスタのような狭い球場だと、力を発揮できていなかったのです。

③ 投手力の低下

球場が狭くなると、当然投手陣の成績も下がります。故に投手陣が育ちにくくなりますし、有力な投手を放出してしまうリスクが上がってしまいます。

現役のドラゴンズ投手陣は、この広いバンテリンドームをバックに投げれるので、他チームに流出することはありませんでした。

④ そもそも広いバンテリンドームでは強いドラゴンズ

ここ数年では23年度を除き、バンテリンドームでは勝ち越しているドラゴンズ。球場の広さを味方にし、相手を抑えながら強力なリリーフ陣で僅差のゲームをモノにしていたが、その強みを失ってしまうのでは?

24年度もホームでは35勝32敗と勝ち越していますがビジターでは25勝43敗と大きく負け越しています。23年度以前も見ていきましょう。

各年度   ホーム   ビジター 順位            ホーム   ビジター 順位

23年度  30勝39敗  26勝43敗 6位      19年度  39勝31敗  29勝42敗 5位

22年度  37勝33敗  29勝42敗 6位      18年度  36勝33敗  27勝45敗 5位

21年度  33勝27敗  22勝44敗 5位      17年度  37勝32敗  22勝47敗 5位

20年度  36勝24敗  24勝35敗 3位      16年度  32勝36敗  26勝46敗 6位

あれ??バンテリンドームだと強くないか?テラスつけちゃまずいんじゃね??

以上、バンテリンドームのホームランテラス設置によるプラス面、マイナス面を考察してみました。筆者はテラス設置はマイナス面の方が強いと予想しています。しかし、ドラフトで金丸選手や吉田選手の獲得による投手力強化、細川選手をはじめ福永選手、村松選手、石川選手等将来有力になりそうな野手がいますから、これを機に暗黒時代を抜け出すかもしれません。今後も動向を注視していきたいですね。

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